新築の床鳴りはいつまで保証される?期限と対応の優先順位をわかりやすく解説

新築の床が歩くたびに「キシッ」と鳴ると不安になりますよね。どこまで保証で直してもらえるのか、いつまで連絡すれば良いのかがわからないと対応が後手に回ります。ここでは、保証期間や手続き、証拠の残し方から相談先まで、落ち着いて進められる具体的な対処法を順にまとめます。読み進めれば適切な窓口や優先すべき記録が分かり、対応の選択肢も整理できます。

目次

新築の床鳴りと保証期間でまず確認すること

床鳴りが出たら、まず何を確認すれば良いかを整理します。最初に確認すべきは購入時の契約書や保証書で、保証期間や対象範囲、連絡先が書かれています。特に「初期保証」「アフターサービス」「法定瑕疵保証」の区分を確認してください。これによりどの窓口に連絡すべきかが明確になります。

次に、発生時期と状況を記録します。いつから、どの部屋で、どんな動作で鳴るのかをメモまたは録音・撮影して残しておきます。これが後のやり取りで重要な証拠になります。

最後に、優先順位をつけて連絡先へ相談します。販売会社 → 施工会社 → メーカーの順で問い合わせるのが一般的です。連絡は書面かメールで行い、やり取りは保存しておくと安心です。

保証期間の目安

新築住宅での保証期間は種類ごとに異なります。多くの住宅は引渡し後2年程度の短期保証、構造耐力上の主要部分に対する10年の法定瑕疵保証、そして住宅会社独自の長期アフターサービスが設定されていることが多いです。

短期保証は内装や設備の不具合に対応し、床鳴りが内装施工に起因する場合はこの期間で対応されるケースがあります。一方、構造に関わる床の大きな欠陥は10年の法定瑕疵保証の対象になり得ます。

保証の開始日や条件は契約書に明記されているため、引渡し日や登記日など契約上の基準日を確認してください。保証期間は経過すると自己負担になるため、早めに連絡することが重要です。

床鳴りが保証対象になる条件

床鳴りが保証の対象になるかは、原因と保証内容の照合で決まります。施工不良や接合部の不備、下地の誤処理に起因する音なら、短期保証やアフターサービスで対応される可能性が高いです。

一方、入居後の過剰な荷重や設置物による変形、長期的な自然な木材の伸縮による音は、保証対象外となる場合があります。保証書に「自然な経年変化」や「使用者の過失」は対象外と明記されていることが多いです。

申請する際は、発生時期・頻度・条件を明確にして業者に説明できるようにしてください。出張点検で業者が原因を認めれば保証適用に進みますが、認めない場合に備えて記録を残しておくことが重要です。

優先的に残すべき記録

対応を有利に進めるために、優先して保存すべき記録があります。まずは写真と動画で鳴る箇所の全体像と近接のアップを残してください。床の継ぎ目や釘の位置、周辺の状況がわかる角度で撮影します。

次に音の録音または動画で鳴る瞬間を記録します。スマホの録音アプリで複数パターン(歩行、立ち上がり、荷重移動など)を記録しておくと比較に役立ちます。

さらに、発生日時と状況のメモ、過去に連絡した履歴(メールや電話メモ)、点検を実施した業者名と結果の控えを残してください。これらは保証申請や第三者相談の際に重要な証拠になります。

連絡と報告の窓口優先順

床鳴りの報告は誰にまず連絡するかが重要です。優先順としては、販売会社(売主)、施工会社(工務店・ハウスメーカー)、メーカー(床材供給元)の順で連絡するのが一般的です。

販売会社は契約上の窓口であり、保証手続きや必要な書類の案内をしてくれます。施工会社は現場での施工不良や修理対応の担当になるため、現地点検の手配を依頼しましょう。

床材や接着剤の問題が疑われる場合はメーカーにも報告します。連絡は可能なら書面やメールで行い、対応の記録を残すことが大切です。

初期対応での費用負担区分

初期対応の費用負担は原因と保証の適用状況で分かれます。保証対象と認められれば修理費用は売主や施工会社が負担するのが一般的です。応急処置や点検費用も含まれる場合があります。

一方、保証対象外と判断された場合は自費での修理になります。点検費用のみは請求されることもあるため、点検前に費用負担の有無を確認してください。

また、緊急性がある場合は応急対応を行ってくれるケースがありますが、その費用請求や後の請求の扱いについては事前に確認しておくとトラブルを避けられます。

新築に起きる床鳴りの原因と見分け方

床鳴りの原因は多岐にわたります。木材の性質、施工の精度、下地の状態、害虫被害など、それぞれで発生する音の特徴が異なります。正確に原因を切り分けることで保証適用の判断や修理方法が決まります。

まずは音の発生箇所と発生条件を記録し、業者に説明できるようにしておきましょう。次に、簡単な目視点検や触診で浮きや隙間の有無を確認してください。深刻な問題が疑われる場合は専門家の検査を依頼するのが安心です。

木材の乾燥や伸縮現象

木材は湿度や温度の変化で伸縮します。特に新築直後は木材が馴染む過程で床鳴りが発生しやすく、季節変化で改善することもあります。フローリングの板同士や巾木とのすき間から軋み音が出ることが多いです。

乾燥や伸縮による音は、板の収縮でわずかに擦れる音や、継ぎ目でのこすれる音が特徴です。音が軽微で発生頻度が限定的な場合、業者が調整や再施工で対応するケースが一般的です。

ただし、長期間続く、あるいは音が強くなっている場合は施工不良や下地の問題を疑い点検を依頼してください。記録をとっておくと原因判断がしやすくなります。

釘や接合部の摩耗と緩み

釘の緩みや接合部の摩耗は、歩行の衝撃でこすれる音やカチッという音を生みます。施工時の釘打ちやビス固定が不十分だと時間と共に緩んで音が出ることがあります。

この場合は床板の部分的な再固定や釘・ビスの打ち直しで改善されることが多いです。目視で浮きや動きが確認できる場合は施工会社に点検を依頼し、修理の範囲や費用負担について確認してください。

発生箇所が複数にわたる場合は下地全体のチェックが必要なこともあるため、早めの対応が望ましいです。

下地的な腐食やシロアリ被害

下地の腐食やシロアリ被害があると、床板の支持力が落ちて異音が出ることがあります。歩行時に沈み込みや不安定さを感じる場合は下地の劣化を疑ってください。

シロアリ被害は被害部の食痕や土壌の変化、暗く湿った場所での発生が手がかりになります。専門の防除業者による調査と必要な処置が必要です。こうした原因が認められれば保証や保険適用の可能性がありますので、記録を添えて早めに相談しましょう。

音の種類別の聞き分け

音の種類で原因を推測できます。軽いきしみやこすれる音は木材の伸縮や接合部の隙間、カチッと硬い音は釘やビスの緩み、沈むような音やきしみと合わせて床のたわみを感じる場合は下地の劣化が疑われます。

寝室や廊下など特定の場所でのみ発生するのか、歩き方や荷重で再現するのかを確認すると、原因の絞り込みが進みます。音の発生条件を細かく記録して業者へ伝えると点検がスムーズになります。

構造や工法による発生傾向

木造・鉄骨造・RC造など構造や工法によって床鳴りの出方が異なります。木造は木材の乾燥や接合部の緩みが出やすく、鉄骨造は金属部材の接触音、RC造では仕上げ材と下地のずれによる音が発生しやすいです。

工法特有の接合部や下地の仕様を確認すると、どの業者やメーカーに相談すべきかが明確になります。契約書や施工図面に記載の工法を確認してから点検依頼を出すと対応が速くなります。

保証でカバーされるケースと期限の違いを整理する

保証の種類ごとに対象範囲や期限が異なるため、どの保証で対応するかを区別することが重要です。適用される保証が分かれば、連絡先や手続き、期限内にすべきことが明確になります。

下記では代表的な保証の範囲や期限、保険の適用例、免責や特約、売主倒産時の対応策を整理して説明します。書類を確認しながら読み進めてください。

法定瑕疵保証の対象範囲

法定瑕疵保証は構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分など、住宅の基本性能にかかわる欠陥を対象とします。床鳴りが構造に起因し、支持力の不足や大きな欠陥を生じている場合はこの保証の対象となる可能性があります。

この保証は通常10年程度の期間が設定され、瑕疵が発見されたら売主に義務的に補修を請求できます。申請には点検結果や診断書が必要になることが多く、専門家の確認があると手続きがスムーズになります。

アフターサービス保証の適用項目

ハウスメーカーや施工会社独自のアフターサービスは、内装仕上げや設備、施工に関する不具合に対応するものが多いです。床鳴りが施工不良や素材の取り扱いに関連する場合は、この保証で修理されることが期待できます。

期間や対象は会社ごとに異なるため、契約書のアフター項目を確認してください。多くの場合は短期(1~2年)で無償対応、それ以降は有償になる規定があります。

保険適用となる条件例

瑕疵保険や住宅保証機構の保険に加入している場合、一定条件下で修理費用が保険でカバーされることがあります。保険適用には専門家の検査報告や工事記録が求められることが多いです。

被害が構造的で広範な場合や売主の責任が明確な場合に保険が適用されるケースがあるので、加入状況と保険約款を確認してください。

期限区分 2年と10年の差

2年の短期保証と10年の法定瑕疵保証では、対象の性質が異なります。短期保証は内装や設備の仕上がりに関するものが中心で、比較的小さな不具合をカバーします。

一方、10年保証は住宅の基本性能に関わる重大な欠陥が対象です。床鳴りが単なる軋み程度であれば短期保証での対応、構造的な支持力の問題なら10年保証が該当する可能性があります。

期限を誤ると対応が受けられなくなるため、早めに確認して申請することが重要です。

免責や特約の例

保証書や契約には免責事項や特約が含まれていることがあります。経年変化や使用者の過失、改築・増築後の不具合などは免責となることが多いです。

また、特約で保証期間が短縮されている場合や一部項目が対象外になっている場合もあります。契約書をよく読み、不明点は販売会社に確認してください。

売主倒産時の保障策

売主が倒産した場合、法定瑕疵保証や保険に加入していれば、保険や事業保証で補修が行われるケースがあります。加入確認や保険書類の保存が重要です。

また、住宅取得後の保証や相談窓口は地方自治体や消費生活センターでも案内してもらえます。倒産時には書類のコピーや連絡履歴を整えておくと手続きがしやすくなります。

保証期間内の手続きと証拠の整え方

保証での対応を受けるには、事前準備が大切です。点検依頼や申請の際に求められる書類や記録を揃えておくと手続きがスムーズになります。ここでは点検依頼の手順から第三者検査の依頼基準まで、準備すべき内容をまとめます。

まずは業者へ連絡する際に必要な情報を整理しておきます。発生時期、発生条件、写真や音声記録、契約書や保証書のコピーなどを用意してください。

現地点検依頼の手順

現地点検を依頼する際は、まず購入元または施工会社に連絡し、現象の概要を伝えます。連絡はメールや書面で行い、日時や点検者名を記録しておきます。

点検当日は発生しやすい状況を再現して見せると診断が早まります。点検結果は書面でもらい、修理内容や期間、費用負担の有無を明記してもらってください。

点検後に対応に納得がいかない場合は第三者検査の依頼を検討します。その際の費用負担や手続きも事前確認しておくと良いです。

写真と音声の記録方法

写真は広角で全体像、接近して継ぎ目や釘部分を撮影します。時間帯や照明を変えて複数撮ると状況が伝わりやすくなります。写真は日付入りで保存すると信頼性が高まります。

音声は動画で撮るのが有効です。床に体重をかける動作や歩行で鳴る場面を複数回録画し、発生頻度や鳴る条件をメモで添えます。録音ファイルはオリジナルを保管してください。

必要な報告書と添付書類

報告書には発生の状況、発生日、発生場所、再現方法、添付写真・動画の一覧を記載します。契約書や保証書のコピー、過去の連絡履歴や点検報告書も添付すると対応が早くなります。

点検や修理の見積り書も保管し、比較や交渉に備えます。業者から受け取った書面はすべて日付と担当者名を明記しておくと後で役立ちます。

修理見積りの比較基準

複数の業者から見積りを取る際は、修理範囲、使用部材、工事方法、保証期間、金額の内訳を比較してください。曖昧な項目や不明瞭な費用がある場合は詳細を求めます。

見積りの内訳が明確であれば、保証適用の判断や業者選定がしやすくなります。業者の対応履歴や信頼性も比較材料に加えてください。

第三者検査の依頼基準

業者の判断に納得がいかない場合や原因が不明瞭な場合は第三者検査を依頼します。建築士会や住宅検査会社、専門の診断士に依頼すると客観的な診断が得られます。

第三者の報告書は保証申請や紛争時の重要な資料になります。依頼前に費用負担や手続き方法を販売会社と確認しておきましょう。

対応に納得できないときの相談先と選択肢

業者対応に不満がある場合の相談先や選択肢を整理します。まずは消費生活センターなど公的窓口に相談し、助言や手続きの進め方を確認してください。紛争解決のための制度や専門家のアドバイスも有効です。

書面や記録を整えて第三者機関に相談することで、中立的な判断を仰ぐことができます。必要に応じて専門家や弁護士に相談し、交渉資料を準備して対応を進めます。

消費生活センターの利用

消費生活センターは消費者の相談に無料で応じてくれます。契約内容や保証の範囲に関する助言、販売会社との交渉の進め方についてサポートを受けられます。

相談時には契約書や保証書、写真や点検報告書などを持参すると具体的なアドバイスが得られやすくなります。地域のセンターに連絡して予約や持参書類を確認してください。

住宅紛争審査会の申し立て

業者との協議で解決しない場合は、都道府県などに設置された住宅紛争審査会に申し立てる方法があります。専門家による調停や審査を通じて解決を図ります。

申し立てには書類や証拠が必要なので、事前に整理しておくことが重要です。手続きの流れや必要書類は各自治体で異なるため、事前に確認してください。

専門家による現場診断

建築士や住宅検査の専門家に現場診断を依頼すると、技術的な原因を明確にできます。診断結果は修理箇所の特定や見積りの妥当性判断に役立ちます。

第三者の診断は客観的な証拠として有効で、業者との交渉や保険申請で採用されることが多いです。見積りと合わせて提出できるようにしておくと良いでしょう。

弁護士相談と法的選択肢

対応に納得できず法的手段を考える場合は弁護士に相談します。契約違反や瑕疵による損害賠償請求などの進め方を示してもらえます。

弁護士を通じた交渉では書面での請求や内容証明送付が行われ、解決が早まる場合があります。費用や見通しを事前に確認して判断してください。

交渉用の資料作成

交渉する際は、時系列に整理した発生記録、写真・音声、点検報告書、見積り、やり取りの記録をまとめた資料があると説得力が増します。資料はPDF等で保存し、相手にも共有しやすくしておくと良いです。

冷静に事実を示すことで交渉が進みやすくなります。必要なら専門家の意見書を添えると効果的です。

新築の床鳴りと保証期間で覚えておきたいポイント

床鳴りは原因によって対応窓口や保証の適用範囲が変わります。まずは契約書や保証書を確認し、発生状況を記録して速やかに連絡することが大切です。

写真や音声などの証拠、点検報告書を揃えておくと相談や申請がスムーズになります。業者対応に納得がいかない場合は消費生活センターや第三者機関、弁護士などへ相談する選択肢があります。

大切なのは冷静に記録を残し、期限内に行動することです。これによって対応の幅が広がり、納得のいく解決につながります。

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この記事を書いた人

お金をかければ快適になる。でも「限られた予算の中で、どう暮らしやすくするか」を考えるのも楽しい。そんな思いから、ローコスト住宅の工夫や間取りのポイント、生活のアイデア、節約術、老後資金の考え方まで、幅広く情報を発信しています。「心と時間にゆとりが生まれる暮らし」のヒントを、日々の気づきとともにまとめています。

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